皆さん、こんにちは。大阪市を中心に関西エリアでビルや商業施設などの設備工事を手掛けている大都クリーン開発株式会社です。
私たちが普段、当たり前のように蛇口をひねって使っている水がどのようなルートを通って建物内の各部屋まで届けられているか、詳しく知っている方は少ないかもしれません。実は、建物の規模や用途によって「給水方式」にはいくつかの種類があり、それぞれに異なる仕組みやメリット・デメリットが存在します。
本記事では、設備メンテナンスや施工管理のプロの視点から、「給水方式の種類」について徹底解説します。基本となる2つの分類から、全4種類の特徴、さらには最近のトレンドまでを分かりやすくまとめました。
■建物の「給水方式」は大きく2分類!全4種類の特徴を解説

建物の給水方式は、大きく「直結給水方式」と「貯水槽水道方式」の2つに分類されます。さらに、それぞれの方式が2つに細分化され、全部で4つの種類が存在します。まずはこの基本となる分類と仕組みを見ていきましょう。
<直結給水方式(タンクを使わない)>
直結給水方式とは、道路の下を通る水道本管(配水管)から、建物の敷地内に引き込んだ水道管を直接蛇口まで繋ぎ、水を届ける仕組みです。途中で水を貯めるタンク(受水槽)を経由しないのが最大の特徴です。
・直圧直結給水方式
水道局が水道本管に送る水圧(自然な圧力)だけを利用して、各戸の蛇口まで直接給水する方式です。ポンプなどの動力を必要としないため、非常にシンプルで故障のリスクが少ないのが大きな利点です。ただし水圧には限界があるため、主に3階建てまでの戸建て住宅や低層アパートなどで採用されてきました。最近では水道管の整備が進み、一定の条件を満たせば4〜5階建ての建物でも採用されるケースが増えてきています。
・増圧直結給水方式
水道本管から引き込んだ水道管の途中に「増圧給水ポンプ」を設置し、水の圧力を機械的に高めて中高層階まで直接給水する方式です。タンクを置くスペースが不要でありながら、高い場所へも確実にお水を届けられるため、10階から15階建て程度の中高層マンションやオフィスビルにおいて近年主流となっている給水方式です。
<貯水槽水道方式(タンクを使う)>
貯水槽水道方式とは、水道本管から引き込んだ水を一度、建物内(地上や地下など)に設置した「受水槽」と呼ばれるタンクに貯め、そこから各部屋へ水を送る仕組みです。
・ポンプ直送方式(加圧給水方式)
受水槽に貯めた水を、加圧給水ポンプユニットの力を使って各部屋へ圧送(押し上げる)する方式です。蛇口を開くとセンサーが感知し、自動的にポンプが稼働して水を送る仕組みになっています。屋上に水槽を設置する必要がないため、建物の美観を損ねず、耐震面でも有利に働くことから、中規模のマンションや商業施設などでよく見られます。
・高置水槽方式(高架水槽方式)
まず受水槽に水を貯め、そこから揚水ポンプを使って建物の屋上などに設置された「高置水槽(高架水槽)」へ水を汲み上げます。その後は、水が上から下へ落ちる重力(自然流下)を利用して各階へ給水します。重力を利用するため各階で常に一定の水圧を保てるのが強みであり、かつての中高層マンションで主流だったほか、現在でも大規模なビルや大型団地、病院などで広く採用されています。
▼あわせて読みたい
》受水槽と貯水槽の違いとは? ビルやマンションの「安全な水」を守る設備管理の仕事と法的義務
■各給水方式のメリット・デメリット

給水方式にはそれぞれ一長一短があります。ここでは、「直結給水方式」と「貯水槽水道方式」の違いについて、メリット・デメリットを交えて解説します。
・水質、衛生面と維持管理の違い
直結給水方式の最大のメリットは「水質」の良さにあります。浄水場から送られてきた水がタンクに滞留することなく直接蛇口まで届くため、常に新鮮で安全な水を利用できます。
貯水槽を持たないため定期的な清掃費用はかかりませんが、増圧ポンプを設置している場合は1年に1回程度のポンプ点検が必要になります。
一方で貯水槽水道方式は、一度タンクに水を貯めるため衛生状態を保つための適切な管理が非常に重要です。有効容量が10立方メートルを超える受水槽は「簡易専用水道」に該当し、水道法によって年1回以上の清掃と水質検査が義務付けられています。
この管理を怠ると、タンク内にサビや水垢が発生したり、虫が混入したりして水質が悪化するリスクがあるため注意が必要です。
・設置スペースとコストの違い
設置スペースの観点では、受水槽や高置水槽といった大型のタンクを設置する必要がない直結給水方式に軍配が上がります。敷地内のスペースを駐車場や駐輪場など他の用途に有効活用できるメリットがあり、新築時の建築コスト削減にも繋がります。
対する貯水槽水道方式は、地上や地下に受水槽を置くスペース、あるいは屋上に高置水槽を設置するスペースが不可欠です。都市部の狭小地などではこの設置スペースの確保がネックになる場合があるほか、タンクの耐用年数(一般的に15年〜20年)が過ぎた際の交換コストもあらかじめ考慮しておく必要があります。
・断水、停電時など「災害への強さ」の違い
災害時の対応力については、それぞれの方式で一長一短があります。水道本管でトラブルが起きたり災害で断水したりした場合、直結給水方式は配管内に水がないためすぐに水が使えなくなってしまいます。
しかし貯水槽水道方式なら、タンクの中に水が残っている限りは一時的に水を使用できるため、断水に対する備えとしては非常に優秀です。
一方で停電が発生した場合は状況が変わります。直圧直結給水方式は電気を使っていないためそのまま水が出ますし、高置水槽方式も屋上のタンクに水があるうちは重力で給水が可能です。
増圧直結給水方式やポンプ直送方式など、各戸へ水を送るためにポンプの動力(電気)を使用している方式は、停電と同時に水が止まってしまうという弱点を持っています。
▼あわせて読みたい
》貯水槽の清掃義務とは?水道法の内容や怠った場合の罰則を専門家が徹底解説
■給水方式の最近の傾向と建物ごとの適性

建物の用途や時代のニーズに合わせて、選ばれる給水方式も変化しています。ここでは最近の傾向について解説します。
・なぜ「直結給水方式」への切り替えが進んでいるのか?
近年、既存のマンションやオフィスビルにおいて、貯水槽水道方式から直結給水方式へ切り替える工事が急増しています。その背景にあるのは、居住者の衛生面に対する意識の向上です。
タンクの汚れや劣化に対する懸念から、より新鮮な水を求める声が強まっています。また、オーナーや管理組合にとっても、毎年かかる受水槽の清掃費や法定点検費といった維持管理コストを大幅に削減できる点は大きな魅力です。
さらに、特例直圧給水方式の導入など水道局による階数制限の緩和も、この切り替えの流れを強く後押ししています。
・大量の水を使う施設では「貯水槽方式」が必須
直結方式への切り替えが進む一方で、貯水槽方式が決してなくなるわけではありません。ホテルや工場、病院といった施設では一度に大量の水を消費するため、水道本管からの直接供給だけでは水量が追いつきません。
また、絶対に断水が許されない病院などの施設においては、万が一の際にも水を確保しておける貯水槽の存在がまさに命綱となります。
一方で、そこまでの水量を必要としない一般的な新築マンションやオフィスビルにおいては、スペース効率の良さと衛生面でのメリットから増圧直結給水方式を採用するケースが圧倒的に増えており、建物の用途に合わせた明確な棲み分けが進んでいます。
■生活の「当たり前」を守る!給水設備を守るプロの仕事とは

ここまで解説してきたように、建物には様々な給水方式が採用されています。しかし、どの方式であっても設置して終わりではありません。私たちが毎日安心して水を使える裏側には、設備を守るプロフェッショナルたちの存在があります。
・設備メンテナンス、施工管理が果たす重要な役割
増圧ポンプの定期的な点検や、法定基準に則った貯水槽の清掃および水質管理、老朽化した給水管やポンプの更新工事など、給水設備には定期的なメンテナンスと適切な施工が不可欠です。
もしポンプが故障すれば建物全体が断水し、多くの人々の生活や業務がストップしてしまいます。設備メンテナンスや施工管理の仕事は、こうしたトラブルを未然に防ぎ、「蛇口をひねれば綺麗で安全な水が出る」という日常の当たり前を裏で支える、非常に社会貢献度の高い仕事と言えます。
・専門スキルと一生モノの技術が身につく
給水設備をはじめとする建築設備の仕組みは、基本的に全国どこでも共通しています。つまり、一度この業界で図面の読み方や配管の仕組み、ポンプの構造、施工管理のノウハウを身につけてしまえば、それは全国どこに行っても通用する一生モノの手に職となります。
AIやロボットがどれだけ進化しても、複雑な建物の現場ごとに合わせた臨機応変なメンテナンスや施工管理は人間にしかできないため、将来にわたって必要とされ続ける価値ある専門スキルなのです。
▼あわせて読みたい
》【未経験者向け】給排水設備の基礎知識を徹底解説!設備の仕組みから仕事のやりがいまで紹介!
》設備メンテナンスの仕事内容とは?必要な資格、やりがいをわかりやすく解説
》配管工の将来性は明るい?無くならない理由や市場価値が上がる働き方を紹介
■まとめ

建物の給水方式は、大きく「直結給水方式」と「貯水槽水道方式」の2つに分かれ、そこからさらに直圧直結、増圧直結、ポンプ直送、高置水槽の4種類に分類されます。それぞれに水質やコスト、災害時の対応力といった異なる特徴があり、マンションや病院など建物の用途に合わせて最適な方式が選ばれています。
そして、これらの設備が毎日正常に稼働し続けるためには、定期的なメンテナンスとプロの技術による適切な管理が必要不可欠です。人々の生活インフラを守るこの仕事は、社会を根底から支える大きなやりがいと誇りに満ちています。
■大都クリーン開発では、設備メンテナンスや設備施工管理を募集しています!

大阪府大阪市を拠点とする株式会社大都クリーン開発では、ビルや商業施設における水道・電気・空調などの設備メンテナンスおよび設備工事業務を手掛けており、現在、私たちと一緒に働く設備メンテナンス作業員と設備施工管理のスタッフを募集しています。創業から40年以上の長きにわたり、誰もが知る有名物件を含む数多くの現場を手掛けてきた当社は、長年の信頼に裏打ちされた安定した仕事量と、未経験からでも着実に成長できる充実した環境が強みです。
「現場の経験がないから不安」という方でも心配はいりません。社内には一級管工事施工管理技士の資格を持つ頼りになる先輩スタッフが多数在籍しており、現場で基礎からしっかりと丁寧にお教えします。実際に、未経験からスタートして現在第一線で活躍している若手社員も多数おり、女性スタッフもいきいきと働いています。ビルやマンション、学校、飲食店など多彩な現場を経験できるため、一生モノの技術を身につけることが可能です。また、現場作業から施工管理へ、あるいは設備メンテナンスから施工管理へと、ご自身の目標や適性に合わせた自由自在なキャリア選択ができるのも当社の魅力です。資格取得支援制度も完備しており、取得後は資格手当が支給されるため、頑張りがしっかりと収入アップにつながります。
さらに、社員が無理なく長く働けるよう、ワークライフバランスの実現にも力を入れています。残業はほとんどなく、プライベートの時間を大切にしながら働くことができます。甲子園の年間シート支給といった、当社ならではのユニークな福利厚生も社員から大好評です。未経験からでもプロの技術を身につけ、安心して長く働ける大都クリーン開発で、生活の「当たり前」を裏から支えるやりがいのある仕事を始めてみませんか?少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご応募ください。
▼関連記事
》配管工に向いている人の共通点とは?きついけど"やりがい"と"将来性"が大きい理由を紹介
》設備屋は本当に儲かる?儲かる理由と収入アップのコツを徹底解説!
》建設業に若手はいないって本当?5つの理由と未経験が会社選びで後悔しないためのチェックポイントを紹介
》配管工は辞めとけって本当?きつい現場のリアルと大都クリーン開発の魅力を紹介
》設備メンテナンスがきついって本当?きついだけじゃない魅力や将来性を徹底解説!

