皆さん、こんにちは。大阪市を中心に関西エリアでビルや商業施設などの設備工事を手掛けている大都クリーン開発株式会社です。
ビルやマンションなどの建物において、「受水槽(じゅすいそう)」や「貯水槽(ちょすいそう)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。どちらも水を貯めるタンクというイメージはあるかもしれませんが、それぞれの違いを正確に説明できる人は実はあまり多くありません。
しかし、受水槽も貯水槽も、どちらも私たちの「飲み水」に関わる非常に重要な設備であるため、正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、日々ビルの給排水設備を守る私たち大都クリーン開発が、設備管理のプロの視点から受水槽と貯水槽について詳しく解説します。それぞれの概要や必要性、法律で定められた管理義務、管理を怠った場合の重大なリスクなどについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
■【結論】受水槽と貯水槽の違いとは?

まず、「貯水槽」は水を貯める設備全体の総称であり、「受水槽」はその設備の一種です。
・「貯水槽」とは?
貯水槽は、水を貯めておく設備や施設の総称です。飲料用はもちろん、高架水槽や、雨水や地下水などの上水以外の水、防災用水、工業用水を貯める水槽なども含まれます。
・「受水槽」とは?
受水槽は貯水槽の一種で、ビルやマンション、工場などの大規模な建物に設置され、水道管から送られてくる水を一時的に貯めておくための水槽のことを指します。
■なぜビルやマンションに受水槽が必要?給水方式の仕組み

まず、受水槽の設置が必要な建物とその理由、給水方式と受水槽方式の主な種類について解説します。
・設置が必要な建物とその理由
受水槽は、主にビルやマンション、学校、病院など高層階がある建物や、日常的に大量の水を使用する施設、工場などに設置されます。低層建築物などで採用される通常の水道直結方式では、水圧が足りずに高層階へ水を供給できません。そのため、一度受水槽に水を貯めてからポンプで屋上の高置水槽などへ送り、自然流下で各階へ供給するのが一般的です。
・給水方式の種類
給水方式の種類と概要について解説します。
① 直結給水方式(受水槽を使わない)
水道管から蛇口まで、直接水を供給する方式です。配水管の水圧を利用して直接給水する「直圧直結方式」や、給水管に直結給水用増圧ポンプを設置して給水する「増圧直結方式」などがあります。水が滞留しないため新鮮で衛生的であり、受水槽の管理も不要である反面、水圧が低い地域や高層ビルには不向きです。また、断水時には即座に水が使えなくなる点には注意が必要です。
② 受水槽方式(貯水槽水道方式(受水槽を使う)
水道管からの水を一度受水槽に貯めてから、ポンプを使用して各階へ給水する方式です。高層階へも安定して給水できるため、学校や病院、工場など大量に水を使う施設にも対応が可能です。また、災害時や断水時でも受水槽に貯めてある分の水は使用できるのが大きなメリットです。
一方で、日々の清掃や点検などの衛生管理が不可欠であり、管理を怠ると水質が悪化するというデメリットもあります。
・受水槽方式の主な種類
受水槽方式の主な種類とその概要は以下の通りです。
高置水槽方式(高架水槽方式)
受水槽から揚水ポンプで屋上の高置水槽へ水が送られ、高低差による重力で給水する仕組みです。水圧が安定しており、停電時でもある程度給水可能な反面、設置のためのスペースや高置水槽の管理も必要になる点はデメリットです。
ポンプ直送方式(加圧給水方式)
受水槽から加圧給水ポンプで各戸へ直接給水する仕組みです。高置水槽が不要なため衛生的である一方で、停電時に断水してしまう点や、ポンプのメンテナンスが重要である点はデメリットといえます。
衛生面や管理コストの問題から、近年は条件が合えば直結給水方式へ切り替える建物も増えています。しかし、建物の規模や防災上の観点から、受水槽方式は依然として多くの建物で欠かせない設備となっています。
■受水槽の管理を怠る重大なリスク

受水槽はなぜ管理が必要なのか、怠った場合にどのようなリスクがあるのかについて解説します。
・なぜ管理が必要?放置された受水槽の深刻なリスク
受水槽の内部は、水垢やカビ、藻、サビなどが発生しやすい環境です。蓋の隙間や通気管の防虫網の破れた箇所などから、虫や小動物、ホコリが侵入するケースもあります。放置すると大腸菌やレジオネラ属菌などの雑菌が繁殖して水質が悪化し、汚染された水によって健康被害が引き起こされる恐れがあります。
・法律で定められた設置者の「管理義務」
受水槽の水質管理は、建物の所有者や管理者など、設置者の責任として法律で定められています。特に水道法においては、受水槽の有効容量が10m³を超えるものは「簡易専用水道」に分類され、厳格な管理が義務付けられています。
・簡易専用水道の具体的な義務と罰則
① 年1回以上の定期的な清掃
受水槽の清掃は、「建築物飲料水貯水槽清掃業」の登録業者への委託が必須(または推奨)となっています。
② 年1回以上の法定検査
厚生労働大臣の登録を受けた検査機関による水質検査や施設の外観・内部点検など、法定点検を受ける義務があります。
これらの管理義務を怠った場合、指導や勧告に従わなければ「100万円以下の罰金」などの罰則が科される可能性があります。罰則があるのはもちろん、健康被害を出した場合は社会的信用の失墜という大きなリスクも伴うため、管理義務の遵守は何よりも重要です。
》貯水槽の清掃義務とは?水道法の内容や怠った場合の罰則を専門家が徹底解説
■【求職者向け】安全な水を守る!設備メンテナンス・施工管理の仕事

ここからは、設備メンテナンス・施工管理の仕事について解説します。
・水の安全を守る最前線「設備メンテナンス職」の役割
設備メンテナンス・施工管理の仕事は、法的に義務付けられた点検・清掃を実際に行う仕事です。例えば貯水槽清掃の場合は、断水告知や事前調査などの準備を行い、水抜きした槽を高圧洗浄機やブラシで洗浄し、消毒作業や水張り、残留塩素の確認などを実施します。
また、定期点検では、水槽本体のひび割れや漏水の目視確認、内部の汚れ具合の確認、マンホールの施錠確認、ポンプ・配管・ボールタップなど関連設備の動作チェックなどを実施し、水質検査では現地での簡易検査、または検体を採取して専門機関へ送付します。
「自分が清掃・点検した水が、ビルで働く人々やマンションで生活する人々の口に入る」という責任感と社会貢献性は、大きなやりがいになるといえるでしょう。
》設備メンテナンスの1つ「受水槽の清掃」とは?仕事内容や業務の流れを紹介
・未経験からでも目指せる専門職(資格紹介)
設備メンテナンス・施工管理の仕事は専門性が高く、多くの建物において必要な仕事であることから、常に需要が安定しています。また、貯水槽清掃作業監督者、給水装置工事主任技術者、管工事施工管理技士などの関連資格を取得することで活躍の場が広がり、より重宝される人材として市場価値が高まります。
大都クリーン開発では、未経験からでも研修や資格取得支援を通じて設備メンテナンスのプロを目指すことが可能です。あなたもぜひ、人々の快適な暮らしを守る仕事で社会に貢献していきませんか?
》貯水槽清掃作業監督者の合格率は?試験の概要や資格の取得方法を紹介!
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■まとめ
貯水槽は水を貯める設備全体の総称で、受水槽は貯水槽の一種です。大規模な建物では受水槽方式による安定した給水が不可欠であり、安全な水を提供し続けるためには法律で定められた専門的な清掃・点検が欠かせません。
■大都クリーン開発では、設備メンテナンスや設備施工管理を募集しています!

大都クリーン開発は、大阪府大阪市を拠点に、ビルや商業施設における水道・電気・空調などのメンテナンスや設備工事業務を行う会社です。弊社では現在、設備メンテナンスのスタッフと設備施工管理を募集中です。
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